相続した土地に、営利用建物を取得した場合の損益の把握

(土地は30年前父からの相続で取得、建物を新規取得した場合)


(例)土地660u
(200坪、駅から徒歩5分以内、周辺住宅、立地・建設条件良)
@土地売却価格(u当り20万円×660u) 1億3200万円
A建物の取得価格(建坪500u、建設費は建物3.3u当り90万円他に付帯工事で見積もる) 1億4000万円(消費税10%で計算)

1.営利用建物取得の場合の損益

a.収入

(デラックス仕様のワンルーム型、20世帯での満室年間収入見積り)

@家賃月63千円×20戸×12月 =1512万円
A駐車場6000円×10台×12月 =72万円
B収入計 =1584万円

b.費用(年間)

@減価償却(鉄骨27年) 520万円
A固定資産税(土地) 25万円
B固定資産税(建物) 73万円(最初の3年の軽減税率適用を除く)
C共用部分光熱費 24万円
D金利(1.5%)全額借入で平均支払利息 98万円
E管理費 158.4万円
F年額修繕費見積もり 54万円
G費用計 952.4万円

c.利益

@満室の場合の利益は631.6万円
A分岐充室割合60%
B損益分岐点、空室割合が40%
C満室で利回りが4.8%
*稼働室率80%で、利回り2.4%です。

2.土地売却の場合(親からの相続した土地)

@収入 1億3200万円
A所得税・地方税 2427万円
B売買手数料 402万円
C手元に残る金額 1億371万円

3.相続が発生した場合

A.建物を建てた場合

・他に相続財産として評価額1億円の相続財産がある。
・この土地の(660u)の相続税評価額7392万円
・相続人(妻・子2人)
・建物取得による借入金1億3176万円で10年後には1億980万円、
・相続税額総額161万円(現在の税率で本人が10年後になくなった場合)

B.建物を建てないで、妻が被相続人の後に亡くなる場合

・相続税290万円

C.建物を建てないで、妻が被相続人の前に亡くなった場合

・相続税額は子1人にあたり385万円、合計770万円

結論

建物を建設し、稼働室割合80%を維持し、妻の被相続人後死亡の場合は、130万円相続税負担の軽減になる。利回りも2.4%である。